ランドセルの歴史に迫る!ランドセルって、なにもの?
小学生の必需品であるランドセル。そのランドセルの由来ってどこからきているんだろう?と気になったことはありませんか?
そもそも日本が発祥のものなのか、外国から輸入したものなのか気になりますよね。
今回はそんな少し気になる疑問を紐解いていきたいと思います。
「ランドセル」の語源について
語源について、実はいくつかの説があります。
最も有力な説は、「ランドオーナーのセル(財布)」であるとされています。
明治時代に農地を借り貸しするランドオーナーが、債務者に預けた財布を形式的な証拠としてとっておいて、最後に債務者に返したという逸話があります。
ここから、大切なものを持ち運び、預けるものとして、小学生のかばんにも「セル」という命名がなされ、ランドセルという名前がついたというのが定説です。
他にも、「藍色の布」からきたとする説もあります。
古くから藍染めが行われていた日本で、青い布を使って作られた袋を藍色の布(あいいろのふ)と呼びました。これが「ランドセル」になったとする説です。
また、「ランド」という部分は、「欄外の」や「広い」という意味を持っています。
したがって、広くて使いやすいかばんという意味で、ランドセルという呼称が定着したという説もあります。
ランドセルの歴史
ランドセルの元になった「ランセル」とは
語源の元となった節が実はもう一つあります。それは江戸時代にオランダから日本にもたらされた「ランセル」というものです。
そもそもオランダは日本が鎖国中に貿易をしていた数少ない国のうちのひとつで、そのオランダからもたらされたカバンが由来とされています。
ちなみにオランダ語で「ランセル」は「背負いカバン」という意味があります。
そもそもランセルは兵士たちが西洋軍隊で持ち物を運ぶために使用するカバンでした。
そのカバンを当時、幕末の日本は幕府で西洋の軍隊制度を導入する際に兵士のカバンとして採用しました。
そこにだんだん日本語の訛りが入って、いつしか「ランドセル」と呼ばれるようになったとされています。
子供たちが使うようになるまで
画像:https://www.photo-ac.com/main/detail/26173066
日本で最初に近代小学校ができたのは、1869年の5月のこと。まだ当時はランドセルというものがありませんでした。その理由としてそもそも教材がほとんどなく、カバンという存在が必要ありませんでした。
現在のような通学カバンとして使われるようになったのは、学習院初等科が起源となっており、当時は背囊(はいのう)と呼ばれるリュックサックのような形でした。
当時の学習院の子どもたちは、おつきの人に荷物をもたせたり、馬車や人力車で登校していたため、自分で荷物を持つ習慣も考えも全くありませんでした。このままでは子どもたちがひ弱に育ってしまう。という声が挙がったことがきっかけで、使われ出したのがランドセルだったのです。
私たちの知る形へ
明治20年、後の大正天皇が学習院初等科へ入学する際、初代内閣総理大臣である伊藤博文が革製の箱型のランドセルをお祝いにお贈りしました。
現在、「学習院型ランドセル」と呼ばれているランドセルは、この話を元とする箱型ランドセルだと言われています。
今でこそ私たちの知るランドセルは様々なカラーバリエーションがあります。しかし、背嚢が使われていた当時は黒色という指定がありました。
戦後の高度経済成長期以降、ランドセルは徐々に日本の子どもたちに浸透していきました。
海外の学校でも似たようなカバンは使われているのですが、日本のランドセルのような頑丈で丁寧な作りのものはなかなかありません。
ランドセルの素材の歴史
ランドセルは軍用カバンがルーツにあるため、牛革を用いて作られることがほとんどでした。
しかしもちろんのこと牛革はかなりの高級品。ごく一部の富裕層にしか購入することができず、一般家庭の子供たちは、布製のカバンや風呂敷を使用していました。
昭和初期には豚の革が流通するようになり、豚革を使って作られることもありました。しかし、戦争が始まると、軍用品に優先的に使われるようになってしまい、戦時中は紙や竹で編んだものを、戦後の混乱期にはサメやアザラシの革を、昭和30年ごろにはアルミで代用されたものもありました。
また当時のランドセルは今よりも小さいにも関わらず、約1600gもあり、かなり重く設計されていたことがわかります。
現在は人工皮革も開発されているため、約1100~1300gに抑えることができています。
今のランドセルが如何に軽量化を図って作られているかがわかります。
重いランドセルを使っていると、子供たちは様々なストレスを感じてしまいます。
現在のランドセル
画像:https://www.photo-ac.com/main/detail/22252061
背中に背負うタイプのカバンだと、両手が自由に使えたり、負担を減らすことができるなどの利点が多くあることから、ランドセルは通学用のカバンとして流通するようになっていきました。
カラーバリエーションに関しても、流通し始めた昭和30年代ごろには黒色と赤色の二色が定番になり、2000年代に入るとランドセルの色は様々な色が発売され、カラフルに自分だけの色を決めることができるようになっていきました。
色も背負うものも限定されていた当時と比べ、今は本当に自分自身でカスタマイズして背負うものを選べる時代になりました。
大人でもファッションとしてランドセルを取り入れる人も多く、ビジネスのシーンでもランドセルを使用している人もいます。
多種多様に使われるようになるまで私たちが想像していたよりも遥かに長い月日がかかっていました。
現代の形「リュッセル」
画像:https://rikomon.com/
Rikomonが提供している次世代型ランドセル「リュッセル」は、軽さに特化して作られている「FLY」だと、その重量は驚きの925g。その軽さにも関わらず、A4クリアファイルもしっかり入る大容量。そして雨にも汚れにも強く、頑丈に作られています。
当時の箱型ランドセルとは逆を行くランドセルです。
学習院型ランドセル「らしく」では本体の色だけではなく、かぶせや内装、背中当ての色の他にも、かぶせピンのデザインなど合計10項目のデザイン、色を自分で選ぶことができ、その組み合わせはなんと約7兆2000億通り。
自分だけの素敵なランドセルを作ることができます。